怒鳴ってしまった後、布団の中で「また怒っちゃった…」と後悔したことはありませんか?
「もっと優しくできたのに」「子どもの心を傷つけてしまったかも」と自分を責めるあの感覚、とてもよくわかります。
「このままで自己肯定感が育つのか、正直不安」と感じているパパ・ママも多いと思います。
1〜3歳は「敏感期(びんかんき)」と呼ばれる、脳がぐんぐん発達する大切な時期です。
この時期の声かけが、子どもの自己イメージの土台になると聞くと、余計に不安になりますよね。
でも、大丈夫です。声かけは今日から変えられます。
気づいた今日が、一番早いスタートです。この記事では、今日からすぐ使える具体的なフレーズを紹介します。
この記事でわかること
- 敏感期の1〜3歳に声かけが大切な理由
- 自己肯定感を育てる褒め方と具体例
- 感情的にならない叱り方のコツ
- やってはいけないNG行動5つ
- 年齢別・場面別の声かけフレーズ
敏感期の1〜3歳に声かけが特別な理由
「敏感期(びんかんき)」とは、特定の能力が驚くほど吸収しやすい時期のことです。
イタリアの教育者マリア・モンテッソーリ博士が提唱した概念で、子どもはこの時期に、まるでスポンジのように言葉や感覚・動きを吸収します。
1〜3歳は、特に4つの敏感期が重なっています。
- 言語の敏感期(0〜6歳):言葉を活発に吸収する
- 秩序の敏感期(1〜3歳):「いつもと同じ」に安心する
- 感覚の敏感期(0〜6歳):五感で世界を探索する
- 運動の敏感期(1〜4歳):動くことで脳を育てる
この時期に繰り返し聞いた声かけは、子どもの自己イメージの土台になると言われています。
「すごいね、頑張ったね」という言葉も「なんでできないの」という言葉も、どちらも子どもの自己イメージの土台になります。
「急がなければ」と焦る必要はありません。
今の積み重ねがそのまま子どもの財産になります。今まさに黄金期の真っ只中にいます。
年齢別|1〜3歳の発達特性と声かけのポイント
月齢によって、子どもの理解できることや感じていることは大きく変わります。
「どうして伝わらないんだろう」と悩んだとき、発達の特性を知っていると声かけが楽になります。
| 年齢 | 発達の特性 | 声かけのポイント | 声かけ例 |
|---|---|---|---|
| 1歳 | 言葉を吸収中 感情表現は泣くだけ まだ言葉が出ない | 気持ちを代弁してあげる | 「痛かったね」 「やりたかったんだね」 「怖かったんだね」 |
| 2歳 (イヤイヤ期) | 自我が芽生える 自分でやりたい爆発期 「いや!」が口癖 | 選択肢を与えて自己決定させる | 「どっちのシャツにする?」 「自分でやってみる?」 「どうしたい?」 |
| 3歳 | 語彙が急増 ルールを理解しはじめる 「なんで?」が増える | 理由を添えた声かけが届きはじめる | 「叩くと痛いよ。言葉で教えてね」 「〇〇するとどうなると思う?」 |
年齢に合った声かけをするだけで、親子のコミュニケーションがぐっとスムーズになります。
ぜひ、お子さんの今の年齢を確認してみてください。
自己肯定感を育てる褒め方4つ

「ちゃんと褒めているのに、なんか伝わっていない気がする…」と感じたことはありませんか?
実は、褒め方によって子どもの受け取り方は大きく変わります。自己肯定感を育てる褒め方には、4つのコツがあります。
① プロセスを褒める
「100点すごい!」「天才!」という言葉は子どもを喜ばせます。
でも、これを繰り返すと子どもは「結果を出さないと褒めてもらえない」と感じるようになる傾向があります。
大切なのは、結果ではなく努力・過程・姿勢を褒めること。
「頑張った事実」を認めることで、子どもは「また挑戦しよう」と思えます。
| シーン | ❌ NGな褒め方 | ✅ OKな褒め方 |
|---|---|---|
| テストで高得点 | 「100点すごい!さすが!」 | 「毎日練習したもんね」 |
| 絵を描いた | 「上手!天才!」 | 「いっぱい色使ったね。楽しかった?」 |
| 負けて悔しがった | 「次は勝てるよ」 | 「最後まで諦めなかったね」 |
| 転んでも立ち上がった | 「えらい!」 | 「自分で起き上がれたね」 |
| 初めてできた | 「やればできるじゃん」 | 「何度もやってみたんだね」 |
他にもこんなフレーズがあるよ
- 「最後まで諦めなかったね」
- 「難しかったのに、何度もやってみたんだね」
- 「転んでも起き上がれたね。すごいよ」
- 「うまくいかなくても、挑戦したことがえらいよ」
② 具体的に褒める
「えらいね」という言葉は優しく聞こえますが、子どもには何をほめられたのかが伝わりにくいです。
「何が・どこが・どうよかったか」を具体的に伝えることで、子どもは「こういうことがいいんだ」と理解できます。
次の行動につながる褒め方です。
| シーン | ❌ NGな褒め方 | ✅ OKな褒め方 |
|---|---|---|
| 片付けた | 「えらいね」 | 「おもちゃを箱に入れてくれたね」 |
| 食事を完食した | 「いい子だね」 | 「野菜も全部食べたね!」 |
| 靴を自分で履いた | 「上手だね」 | 「自分でマジックテープ留めたね」 |
| 友達に優しくした | 「優しいね」 | 「転んだお友達に声かけてたね」 |
| お手伝いした | 「助かる!」 | 「洗濯物たたんでくれてありがとう」 |
他にもこんなフレーズがあるよ
- 「自分でお片付けできたね」
- 「ご飯を最後まで食べたね」
- 「お友達に『どうぞ』できたね」
- 「靴を自分で履けたね。やったね!」
具体的な言葉は、子どもの記憶に残りやすく、同じ行動を繰り返すきっかけになります。
③ 存在そのものを認める
能力や行動とは関係なく、「あなたがいるだけで嬉しい」と伝えましょう。
これは自己肯定感の核心にある言葉です。
「何かができるから好き」ではなく「あなただから好き」という無条件の愛情が、ボウルビィの愛着理論で言う『安全基地』の役割を果たすと考えられています。
何もしていない日常の一コマに、存在を認める言葉を添えてみてください。
| シーン | 声かけフレーズ |
|---|---|
| 朝起きた時 | 「おはよう。今日も会えた!」 |
| 寝る前 | 「今日も一緒にいられてよかった」 |
| ただ遊んでいる時 | 「楽しそうだね。見てるだけで嬉しいよ」 |
| 落ち込んでいる時 | 「何があっても大好きだよ」 |
| 何でもない瞬間 | 「生まれてきてくれてありがとう」 |
他にもこんなフレーズがあるよ
- 「あなたがいてくれるだけで嬉しいよ」
- 「生まれてきてくれてありがとう」
- 「今日も会えてよかった」
- 「何があっても、ママはあなたの味方だよ」
- 「大好きだよ。ただそれだけ」
この言葉は1日1回、寝る前に伝えるだけでも十分です。
毎日の積み重ねが、子どもの心の安全基地につながっていくと考えられています。
④ 一緒に喜ぶ
子どもが何かできたとき、評価する前にまず一緒に喜びましょう。
子どもが本当に嬉しいのは「パパ・ママが一緒に喜んでくれた」という体験です。
| シーン | 声かけフレーズ |
|---|---|
| 積み木が積めた | 「やったー!ママもびっくり!」 |
| ひらがなが書けた | 「見せて見せて!すごい!」 |
| お絵かきを見せてきた | 「わあ、これどこ?教えて!」 |
| 発表会でできた | 「ドキドキしたね。一緒にドキドキしてたよ」 |
| 自転車に初めて乗れた | 「ママ感動した!一緒にやってよかった」 |
他にもこんなフレーズがあるよ
- 「できたね!ママも嬉しい!」
- 「やったね!一緒に喜ぼう!」
- 「すごい!ママ、びっくりした!」
- 「わあ!見せてくれてありがとう!」
ポイントはパパ・ママが本気で喜ぶこと。
子どもは親の表情・声のトーンをよく見ています。本気の反応が伝わります。
感情的にならない叱り方3つのルール

「叱らなければ」とわかっていても、とっさに言葉が出てしまうことはありますよね。
ここでは、感情的にならずに伝わる叱り方を3つのルールで紹介します。
ルール① 行動を叱る・人格は否定しない
叱るのは「行動」だけにしましょう。「あなたはダメだ」ではなく「その行動がいけない」と伝えます。
| ❌ NGな声かけ | ✅ OKな声かけ |
|---|---|
| なんでできないの ダメな子ね | それはやめてね 〇〇しようね(行動だけを指摘) |
ルール② 短く・その場で・引きずらない
1〜3歳の子どもは、時間が経ったことを結びつけて考えることがまだ難しい時期です。叱るときは、その場で短く伝えましょう。
| ❌ NGな声かけ | ✅ OKな声かけ |
|---|---|
| さっきのことだけど、なんであんなことしたの? 前からずっと言ってるのに… | 今、〇〇しないでね(その場で短く) やめてね。以上!(引きずらない) |
叱ったあとはできるだけ「大好きだよ」で締めましょう。
声かけをしてフォローしよう
- 「〇〇はやめてね。でも、大好きだよ」
- 「ダメだよって言ったけど、ママはあなたが大好き」
- 「叱ったけど、怒ってないよ。大好きだよ」
ルール③ 叱る前に深呼吸を1回
パパ・ママ自身が感情的になったまま叱ると、言葉が刺さりすぎてしまうことがあります。
叱りたくなったら、まず1回だけ深呼吸してみましょう。それだけで言葉のトーンが変わります。
もし怒鳴ってしまったときは、リカバリーの声かけを試してみてください。
リカバリーの声かけ例
- 「さっきは大きな声出してごめんね」
- 「ママ、ちょっと怒りすぎたね。ごめんよ」
- 「さっきはびっくりさせちゃったね」
謝ることは、子どもに「間違えたら謝っていい」ということを教えます。完璧な親でなくていい。大丈夫です。
やってはいけないNG行動5つ
以下の行動は、子どもの自己肯定感を下げるリスクがあります。確認してみましょう。
- 人格否定:「バカ」「ダメな子」「なんでできないの」などの言葉
- 比較:「お兄ちゃんはできるのに」「クラスの〇〇ちゃんを見習いなさい」
- 脅し:「捨てるよ」「もう知らない」「おばけが来るよ」
- 感情的に怒鳴る:大声・怖い顔・物を叩く音
- 後からまとめて叱る:「前から言ってるのに…」「いつもそうなんだから…」
これらのNG行動が習慣化すると、子どもは「自分はダメな存在だ」と感じやすくなる傾向が指摘されています。
でも、たった一度やってしまったからといって、自己肯定感が完全に崩れるわけではありません。
日々の積み重ねが大切です。
やってしまった…と思ったパパ・ママへ。
気づいた今日から変えれば大丈夫です。
子どもはパパ・ママが大好きだから、必ず伝わります。
場面別|すぐ使える声かけフレーズ集
「頭ではわかっていても、とっさに言葉が出てこない」ことはよくあります。
よくある場面ごとに声かけのフレーズをまとめました。スマホに保存しておくと、いざというときに使えます。
| 場面 | 声かけ例 |
|---|---|
| 食事(食べない) | 「一口だけ食べてみる?」 「食べなくても大丈夫。でも一緒にテーブルにいようね」 |
| 食事(こぼした) | 「こぼれちゃったね。一緒に拭こうか」 「大丈夫だよ。次は気をつけてみようね」 |
| 片付け(嫌がる) | 「どっちから片付ける?」 「ママと一緒にやろう。よーいどん!」 |
| 片付け(できた) | 「自分でできたね!ありがとう」 「気持ちよくなったね。やったね!」 |
| 癇癪・泣き叫ぶ | 「泣きたかったんだね。ここにいるよ」 「泣いていいよ。ママはそばにいるから」 |
| 兄弟げんか・叩いた | 「叩くと痛いよ。言葉で教えてね」 「『貸して』って言えるかな?」 |
| 挑戦して失敗した | 「やってみたことがすごいよ」 「失敗しても大丈夫。一緒にまたやってみよう」 |
全部を一度に覚えようとしなくて大丈夫です。気に入ったフレーズを1つだけ試してみてください。
声かけが積み重なって自己肯定感になる
自己肯定感は、一度の言葉で育つものではありません。
「あなたがいてくれて嬉しい」「頑張ったね」という言葉を、毎日少しずつ重ねること。その積み重ねが、子どもの心の土台になります。
完璧な声かけができなくても大丈夫です。怒鳴ってしまっても大丈夫です。
大切なのは「気づいたときから変える」ことです。
今日の声かけが、10年後の子どもの自信につながっていくと考えられています。
子どもはいつも、パパ・ママの声を聞いています。そしていつも、ママ・パパが大好きです。
▶ 子どもの自己肯定感の育て方はこちらで詳しく解説しています
まとめ
この記事のポイントを5つにまとめます。
- 1〜3歳の敏感期は、声かけが自己肯定感の土台になる時期
- 褒めるときは「プロセス・具体的に・存在そのもの」を認める
- 叱るときは「行動だけ・短く・その場で」が基本
- 人格否定・比較・脅しのNGワードは使わない
- 完璧じゃなくていい。気づいた今日から変えていこう
声かけは今日からでも変えられます。まずは、今日1つだけ試してみてください。
子どもの笑顔が変わると、きっとあなたの気持ちも少し楽になるはずです。
▶ モンテッソーリ教育の実践方法はこちらで詳しく解説しています
参考文献
- モンテッソーリ教育の敏感期とは?月齢別に成長に活かすヒントを詳しく解説 | 天神メディア
- 自分でできる子に育つほめ方叱り方(島村華子 著)| Amazon
- 子どもの自己肯定感がグンと高まる声かけと接し方のコツ | ベネッセ教育情報
- 【教育研究家に聞く】子どもの褒め方・叱り方と自己肯定感 | 東京ガス ウチコト
- モンテッソーリ教育でイヤイヤ期を克服!具体的な子どもとの接し方 | Cha Cha Cha
- 1歳の1年間は感覚の敏感期!おうちでモンテッソーリでできる活動とは | 現代ビジネス
- 内閣府「子供・若者白書」若者の意識に関する国際比較調査(2018年)
- 非認知能力に関する保育・幼児教育施設の調査研究(文部科学省委託)| 東京大学CEDEP

